2015年6月7日(日)Medisere SCHOOL大阪校にて、薬剤師研修センター認定「次世代の薬剤師を創る会」を開催いたしました。
第15回次世代の薬剤師を創る会
一般口頭発表3例
- ADHDの病態と治療について
藤本 倫正先生(マルゼン薬局株式会社) - 財務からみるジェネリック医薬品の選定方法
剱山 雅史先生(けんざん薬局 取締役 三重県薬剤師会医療安全委員) - 考える技術 薬剤師のための臨床推論入門
吉長 正紘先生(近畿大学医学部堺病院 薬剤部)
特別講演 「心理教育講座ワーク」
児島 惠美子先生(医療心理学会協会 代表理事)
前回の一般口頭発表3例に続き、特別講演のレポートです。
精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加しており、平成23年は320万人と依然300万人を超えています。
精神病床数は、近年35万床程度で、やや減少傾向にあるものの、大きな変化はみられません。精神病床の入院患者数は、平成23年には30万7千人となっています。
これらの事実に直面している中、そこで今回ご担当の児島先生は、「薬剤師がクスリで身体を、カウンセリングで心を支えられないであろうか」と考え、「こころとからだの保健室」が身近に存在していれば、社会の人々のお役に立てるのではないか、と思い、心理カウンセラー養成講座を開講されました。
「絵画療法」は、芸術療法の一つです。
言葉では表現できない心の世界を表現し理解することで問題解決へと導く療法で、創作活動は五感を刺激したり、イメージで表現できるため感情などが表現されやすいなど、様々な効果が期待できます。
中でも、絵画療法は最も簡単に実践でき、臨床の場や様々な場で活用される療法です。
言葉では表現し辛い心の声を、子どもからお年寄りまで表現できるメリットや、いつでも、どこでも、何人でも、楽しみながら行えることが、その理由の1つでもあります。
絵を描くことで現れる、その時の心の声。無意識の中にある自身の感情や思考に気づき、受け入れることが、問題解決や目標達成に役立ちます。
また、クレヨンを使って描くことが、子どもの頃のように無心にかえり、癒されるひとときとなります。
「クレヨンで絵を描くなんて!!」とちょっぴり馬鹿にされていた男性も、講座終了時には、「あのクレヨンの感覚が心地よく、楽しかった。癒された。」と笑顔でおっしゃっていました。
創作活動中には、過去における無意識または意識的に抑圧された感情や思考・体験が一気に表現され、スッキリとした気分になるなど心の緊張がほぐれた状態となる「カタルシス効果(浄化作用)」が得られます。
本日の講演では、絵画療法を受けたことで自己分析を通じてみなさん、スキル習得をされたようです。アンケートでも「すぐに現場で使える」と高評でした。
クライアントはこの無意識を形にすることで、自分だけだという孤独感から解放されることで楽になることもあります。
自己の中にある無意識の一面を、絵画を通じて形にすることで、現時点の自己の意識が見えてきます。これが見えたことに十分な効果があることなのですね。
児島先生、有り難うございました。